ページタイトル画像

コラム

2024.07.15
コラム
積算時に出てくる平米、立米とは?計算式や変換方法を解説
建設工事の積算時に出てくる平米と立米について、それぞれの計算式や変換方法を知りたい方もいると思います。
建設工事における積算は余計な出費を抑えるために重要な業務であるため、使われる単位の定義をしっかりと理解しておくことが大切です。

本記事を読みそれぞれの計算方法を理解することで、素早く計算ができるようになるだけでなく、
業務を効率的に進めることができるようになるでしょう。


▼ 目次
 1.平米の定義と計算式
   2.立米の定義と計算式
   3.平米から立米に変換する方法
   4.立米から平米に変換する方法
   5.建設工事における積算
   6.積算時に重要な歩掛
   7.  工事費用の種類
     7-1.  直接工事費
     7-2.  間接工事費
     7-3.  その他の費用
    8.  会社運営でも根幹となる積算業務
   9.  まとめ


1.平米の定義と計算式

 

平米は「平方メートル」あるいは「m2」とも表記され、国際的に使用されている面積の単位です。

1平米は「タテ1m×ヨコ1m」の広さを表しています。

「平方」は数を2乗することであり、日本ではかつてメートルのことを「米」と表記していたことから、
「平方(2乗)」した「米(メートル)」として平米と表記されるようになりました。

日常生活ではあまり一般的な表記ではなくなっていますが、建築・不動産業界では土地面積・建築面積・延べ床面積(建物面積)・
専有面積などの広さを表す場合に、平米という表記が今でも使い続けてられています。

また平米と同じように面積を表す単位としては、ほかに「坪」や「畳」があり、住宅の広さを表す際に使用されることが多いです。

坪とは、日本古来の計量法である尺貫法の面積単位です。
明治以降に国際的なメートル法が普及してきたことで廃止となりましたが、不動産業界では現在でも使用されています。

1坪は約1.82mの正方形で、「1.82×1.82=3.31(m2)」で約3.3平米となります。

同じく不動産業界で用いられている単位が畳です。
1畳は地域によって異なっており、関西より西側の本間で1.82平米、関東より東側の江戸間で1.52平米となっています。

西日本で暮らしていた人が上京した際に、同じ畳数なのに部屋が狭く感じるのもこの違いのためだといわれています。
畳数を平米で換算する場合は、「1畳=1.62平米以上」と規定されています。
 
 

2.立米の定義と計算式



立米とは、「立方メートル」あるいは「m3」とも表記され、平米と共に建築業界では一般的に使用されている体積の単位です。

1立米は「タテ1m×ヨコ1m×高さ1m」の体積を表しています。

建設や土木の工事現場でコンクリート数量や土量を算出する際に使用され、
何立米なのかをしっかり計算することによって余計な出費を削減することができます。

3.平米から立米に変換する方法



前述したように、平米と立米は異なる単位であるため、それぞれの単位に変換する方法があります。

平米と立米の違いは「高さ」があるかないかで、その高さを乗算、除算することで変換することができるのです。

具体例として、ある平面の短辺・長辺の長さが2mと4mだったとしましょう。
この平面の面積は8平米です。さらに、この平面の高さを2m、3mとするときの体積はいくつになるでしょうか。

空間の体積(タテ×ヨコ×高さ)は「面積(タテ×ヨコ)×高さ」で計算できるため、
それぞれ「8平米×2m=16立米」「8平米×3m=24立米」のように計算されます。

4.立米から平米に変換する方法



今度は立米から平米に変換する方法を紹介します。
先ほどの平米から立米に変換する場合では算出した平米数に高さを乗算しましたが、立米を平米に変換する場合は反対に除算をします。

具体例として、ある空間の体積を40立米とし、高さを4m、5mとするときの面積について考えてみましょう。

面積(タテ×ヨコ)=体積(タテ×ヨコ×高さ)÷高さで計算できるため、それぞれ「40立米÷4m=10平米」「40立米÷5m=8平米」となります。

5.建設工事における積算



積算とは、工事を行う前に歩掛に基づいて各工程の費用を予測し、
それらを積み上げて工事全体にかかる費用を算出することです。

建設工事はそれぞれ条件が異なるため、必要な費用も工事ごとに異なります。
「施工を行う箇所の環境」「施工内容」「必要な作業員の数」などのさまざまな要因によって費用が変化するほか、
不測の事態に備えたロス率なども考慮する必要があります。

原価が一定ではない状況で赤字を出さないようにするためには、工事全体でどれくらいの費用がかかるのか、
正確な積算を行う必要があります。

6.積算時に重要な歩掛



歩掛(ぶがかり)とは、一つひとつの作業を行うにあたって必要な手間を数値化したもののことをいいます。

歩掛は作業員一人が8時間で行える作業の量を示しています。
歩掛に労務単価を掛けることによって、労務費の算出が行えるようになります。

同じ作業だとしても、新人とベテランとでは作業のスピードが異なることや、
作業に求める質によっても労務費は変わってくるため、注意が必要です。

7.工事費用の種類


先ほど述べた歩掛は労務費のうちの一つで、赤字工事を減らすためにはほかにも算出しなければならない費用がたくさんあります。

7-1.直接工事費


直接工事費には「材料費」「労務費」「直接経費」の3種類があります。
歩掛で紹介した労務費以外に、仕入れ価格や使用する量によって変わる材料費、特許使用料や水道光熱費、機械経費などが直接経費に該当します。

塗装工事においては、材料の塗布量を算出する際に、先ほど紹介した平米の計算を使用して材料を塗布した面積の計算を行います。
塗布した面積に塗圧を掛けることで塗布量がわかり、材料費の把握ができるのです。

7-2.間接工事費


間接工事費には「共通仮設費」「現場管理費」の2種類があります。
機材などの運搬費や工事をするためにかかる準備費を共通仮設費といい、
現場作業員の衣類や事務用品、自動車や工事に関する保険にかかる費用などを現場管理費といいます。


7-3.その他の費用


併せて「純工事費」と呼ばれる直接工事費と間接工事費以外にも工事管理費や工事の一時中断に伴う費用も発生します。

また、会社を営むうえでは事務所の家賃や光熱費、広告宣伝費など、一般管理業務に関わる費用も発生するため、
工事のたびに多くの計算をする必要があります。

8.会社運営でも根幹となる積算業務

 
積算は、設計図や仕様書から一つひとつの作業や材料を洗い出し、それぞれの費用を計算する業務です。

積算の精度によって会社の利益や工事担当者の苦労が左右されるため、
責任の重い業務ですが、その分やりがいも感じられる仕事です。

積算がどんぶり勘定になってしまうと赤字の工事になってしまったり、
反対に不当に利益を取りすぎてしまったりなど、会社の信頼にも大きく影響します。

適切な積算を行えていれば、お客さんにきちんとした理由を説明でき、信頼関係の構築にもつながります。


9.まとめ



今回は建設工事の積算時に出てくる平米と立米について、それぞれの計算式や変換方法、また積算で扱う費用についても解説しました。
平米と立米は「高さ」を乗算・除算することでそれぞれの単位に変換可能です。この計算は積算時に多く使用するため重要だといえます。

本記事を参考に平米・立米の計算方法を理解し、素早く適切な計算で効率的に業務を進め、建設現場にかかる無駄な出費を減らしていきましょう。
積算時に出てくる平米、立米とは?計算式や変換方法を解説