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コラム

2024.03.15
コラム
足場の耐用年数は?安全性確保のために知っておくべきこと
建設現場で事故を起こさないためには、安全性の高い足場が必要であるため、
足場の耐用年数について気になる現場責任者の方も多いでしょう。

足場の耐用年数を知っておくことで、足場の劣化による事故や災害を未然に防ぐことができます。

そこで今回は、足場の耐用年数と安全性確保のために必要な知識について紹介します。


▼ 目次
 1.足場の耐用年数は決まっている?
    2.  足場板の種類
     2-1.  金属製足場板
     2-2.  木製足場板
   3.  使用できない足場の特徴とは
       3-1.  材料
       3-2.  作業床
     3-3.  足場の組立て等作業主任者
       3-4.  点検
   4.  足場材は必ず認定品を使用する
    5.  まとめ


1.足場の耐用年数は決まっている?

 
実は、足場の耐用年数を定めた規定は存在しません。
とはいえ、いつまでも使い続けて良いわけではないのです。
組み立てられた足場は、現場によって異なるため足場材1本ごとに不良がないかを点検して、
安全性を確保する必要があります。

また国税庁が定める法定耐用年数の表 
https://www.town.yubetsu.lg.jp/common/img/content/content_20201208_165220.pdf

によると、足場材は工具の分類の「金属製柱及びカッペ」に該当するため、耐用年数は3年とされています。
ただし、これはあくまでも目安であるため、足場材に異常がないか日々点検することが重要です。

労働安全衛生規則において「事業者は、足場の材料については、著しい損傷、変形又は腐食のあるものを使用してはいけない」と定められています。
足場材の点検方法は、厚生労働省の「経年仮設機材の管理指針」 にて示されています。

https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-1-2h10-0.htm

基本的には目視にて材料に著しい変形、損傷、さび等がないかを判断します。
このように定められた指針に沿って点検することで、足場の安全性を確保します。


2.足場板の種類

 

足場板は直接荷重を受ける作業床として使用されます。
足場板は大きく分けて金属製足場板と木製足場板の2種類あり、それぞれ強度や重量が異なります。

足場の用途や作業性を考慮して、使い分けることで安全性の向上やコスト削減につながるため、
ぜひチェックしてみてください。

 

2-1.金属製足場板


ここでは近年使用する現場が多い金属製足場板の中でも、スチール製足場板とアルミ製足場板の2種類を紹介します。

■スチール製足場板
スチール製足場板は、木製の合板足場板よりもたわみは半分に劣りますが、重量は30%軽いです。
そのため取り扱い易く、作業性に優れているため、労務コストを削減することができます。

また、アルミ製足場板と比較するとやや重いですが、強度が高いため、たわみも少ないです。

■アルミ製足場板
アルミ製足場板は、経年劣化による耐久性に優れ、安全性が高いです。
重量も合板足場板の約半分で、作業性も良いため、近年多くの現場で使用されています。
また、スチール足場板と比較すると軽いため、労務コストを削減することができます。


2-2.木製足場板


木製足場板には、合板足場板と杉足場板の2種類があります。ここではそれぞれの異なる特徴を紹介します。

■合板足場板
合板足場板は、薄板を接着剤で木目に対して直交させて張り合わせており、伸縮しにくいのが特徴です。
一般的には防腐剤が塗布されており、防腐効果があるため、長く使用することができます。

滑りにくい加工で安全性が高く、軽量で扱いやすいため、良く使用される足場板です。

■杉足場板
杉足場板は、国産杉材を使用した足場です。滑りにくい素材で柔軟性があり、荷重による振動を軽減してくれます。
デメリットとしては、温度の変化によって木材が伸縮してしまうことです。

平均して3年から5年程使用できますが、作業床として命を預かる重要な部材なので、
強度が弱くなってきたら新しいものに取り替える必要があります。

3.使用できない足場の特徴とは

 

労働安全衛生規則は労働者の安全を確保するため、さまざまなルールが定められています。
足場についてもルールがあり、その基準を満たしていないと足場を利用することができません。
それぞれ解説するので、足場に関わる方は押さえておきましょう。

3-1.材料


労働安全衛生規則の材料について「事業者は、足場の材料については、
著しい損傷、変形又は腐食のあるものを使用してはいけない」と定められています。
先述した通り、目視でしっかりと確認することが重要です。

3-2.作業床


2mを超える高所で一側足場以外の足場を組む場合にはいくつかのルールが定められています。
特に注意すべきルールは、「足場の床材間の隙間は、3cm以下にすること」です。

床材には多少遊びがあるため、使用している間に床材同士の隙間が広がることがあります。
専用の金具もしくは番線などで固定することをおすすめします。
これらの基準が満たされていないと足場が使用できないため、注意が必要です。


3-3.足場の組立て等作業主任者

労働安全衛生規則では、「足場の組立て等作業主任者技術講習を修了した者のうちから、
足場の組立て等作業主任者を選任しなければならない」と定められています。

またその職務として「材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと」や
「器具、工具、要求性能墜落制止用器具及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと」などがあります。

これらのルールを心得た足場の組立て等作業主任者を配置することで足場の安全性向上につながるため、
適切な配置が重要です。


3-4.点検

労働安全衛生規則において足場を点検しなければならいタイミングが定められています。
そのパターンは大きく分けて、「作業により足場を使用する前」と「台風や地震などの後」の2つです。

台風や地震などの後については、足場の組立て等作業主任者である鳶工にて点検を行います。
足場を利用する作業の前の点検については鳶工ではなく、足場を使用する工種の作業員にて行うのが一般的です。

そのため、足場の点検方法は鳶工以外の作業員にもしっかりと周知しておくことが足場での事故を減らす上で重要です。


4.足場材は必ず認定品を使用する

 
仮設機材の認定基準に「厚生労働大臣が定める構造規格」があります。
この基準を満たしていなければ、仮設機材を製造、販売又は貸与することはできません。
そのため足場材は必ず認定品を使用する必要があります。

認定品を確認する方法は、仮設材に表記されている仮設工業会認定マークです。
仮設工業会が労働大臣が定める規格を元に認定基準を設け、その基準に合格した製品に仮設認定合格ラベルを表示しています。

そのため、このマークが確認できれば安全性の高い規格の足場材と認識することができます。
 

5.まとめ




今回は、足場の耐用年数と安全性確保のため知っておくべきことについて解説しました。
安全性の高い足場を設置するには、作業に適した足場材の選定と日々の足場材の点検が重要です。

この記事を参考に、足場の耐用年数と安全性確保のために必要な知識を押さえて、足場上での事故や災害ゼロを目指しましょう。
足場の耐用年数は?安全性確保のために知っておくべきこと